借金返済を遅延すると、「遅延損害金」が加算されて借金がかなり増えてしまうことがありますが、遅延損害金とは一体どのようなお金なのでしょうか?
どのようなケースで加算され、どのような計算方法になるのかも知っておくと役立ちます。そこで今回は、借金の遅延損害金のこととその計算方法を解説します。

遅延損害金とは

借金返済を滞納していると、遅延損害金が加算されることがあります。たとえば、借金を滞納していて債権者から内容証明郵便で一括請求されるときに、借金の元金と利息だけではなく、高額な遅延損害金が加算されているので驚いてしまうことも多いです。
滞納期間が長い場合などには、もともと借りた金額と同じくらいの高額な遅延損害金が加算されていることもあります。
この場合の「遅延損害金」とはいったいどのようなお金なのでしょうか?
遅延損害金は、借金などの返済を遅延したことによって債権者が被った損害に対する賠償金です。
遅延損害金は、利息などと同じように年率で計算されます。
また、遅延日数に応じて加算されていくので、滞納期間が長ければ長いほど、遅延損害金は高額になっていきます。

遅延損害金の年率ってどのくらい?

遅延損害金は年率で計算されるので、その年率が高ければ高いほど遅延損害金は高額になります。
それでは、遅延損害金の年率はどのくらいになっているのでしょうか?
何の定めも無い場合には法定利率が適用されるので5%となりますが、多くの場合、契約によってそれより高額な利率が定められています。
法律により、通常利息や遅延損害金の利率には上限が設けられていますが(利息制限法)、遅延損害金の利率は通常利息の利率より高額にすることができます。(1.46倍)
そこで、多くのケースでは、遅延損害金の利率について、年率20%とされています。
たとえば、100万円を借りて1年間返済を遅延した場合には、2割の20万円の遅延損害金が加算されてしまうので、影響は大きいです。

遅延損害金の計算方法

それでは、遅延損害金はどのように計算すれば良いのか、その計算方法をご説明します。
遅延損害金は、滞納している借金の金額に遅延損害金の年率をかけて、さらに遅延日数をかけて1年の日数(365日または366日)で割り算することによって計算できます。
具体的には、以下のような計算式になります。
借金滞納額×遅延損害金利率×遅延日数÷365日
具体的な計算例を見てみましょう。
借金100万円があり、遅延損害金利率が20%、滞納期間が60日とします。この場合、
100万円×0.2×60日÷365日=32877円の遅延損害金が発生します。
滞納期間が180日になると、
100万円×0.2×180日÷365日=98630円の遅延損害金が発生します。
滞納期間が1年なら、
100万円×0.2×365日÷365日=20万円となります。
閏年の場合には、上記の365日を366日として計算します。
このようにして、借金滞納期間が長くなればなるほど遅延損害金が高額になるので、滞納期間が数年以上に及んでくると、もともとの借入金額と変わらない程度にまで遅延損害金が膨らんでしまうこともあります。
借金は、滞納すればするほど返済が困難になるので、くれぐれも滞納しないことが大切です。

高額な遅延損害金が加算された場合の対処方法

借金を滞納して高額な遅延損害金が加算されてしまい、返済ができなくなった場合にはどのように対処したら良いのでしょうか?
この場合、債務整理によって解決する方法がおすすめです。
遅延損害金も債務整理の対象になります。個人再生をすれば5分の1~10分の1程度にまで大幅にカットしてもらうこともできますし、自己破産をすれば高額になった遅延損害金を完全に0にしてもらうことも可能です。
借金を滞納したまま放置していると、遅延損害金を加算して裁判を起こされて、給料などを差し押さえられてしまうおそれもあるので、早急に対応する必要があります。
債務整理する場合には、弁護士に依頼する必要性が高いので、借金を遅延している場合にはなるべく早めに弁護士に相談に行くと良いでしょう。