借金返済ができなくなったら債務整理をすることで効果的に解決できます。
ただ、債務整理にはいくつかの種類があるので、それぞれの状況に応じた適切な手続きを利用する必要があります。
そこで今回は、債務整理の手続きの種類について解説します。
債務整理とは、借金を整理するための法的な手続きのことです。債務整理には、大きく分けて任意整理、個人再生、自己破産、特定調停の4種類があります。また、これらの手続き中に過払い金が発見されたら過払い金請求をすることもできます。
以下で、それぞれの手続きを見てみましょう。
1.任意整理について
任意整理とは、債権者と直接交渉をして借金返済額を減額してもらったり返済期間を延ばしてもらったりして借金の支払い方法を決め直す手続きです。
任意整理をすると、サラ金などの債権者との合意後に発生する利息が全部カットされるので、借金の返済額が大きく減額されます。また、返済期間が3年~5年くらいになるので、月々の返済額が減ります。5年で返済が苦しいときには、7年程度にまで返済期間を延ばしてもらうこともできます。
たとえば、借金が200万円あって月々8万円支払っている人の場合、任意整理をしたら月々の返済額が3.4万円くらいになります(5年払い)。
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2.個人再生について
個人再生とは、裁判所に申立をして借金の返済額を大幅に減らしてもらうための債務整理手続きです。たとえば、借金が500万円の場合なら100万円にまで減額してもらうことができますし、借金が2000万円の場合なら300万円にまで減額してもらうことができます。
しかも、個人再生には住宅ローン特則があります。住宅ローン特則を使うと、住宅ローンがある人でも、住宅ローンだけはそのまま支払って、その他のサラ金などの借金だけを減らしてもらうことができます。そうしたら、家を失わずに借金を整理することができるので、大きなメリットがあります。
個人再生後の支払期間は原則3年ですが、それが難しい場合には5年にまで延ばしてもらえます。
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3.自己破産について
自己破産とは、裁判所に申立をすることによって、借金を完全に0にしてもらえる手続きです。どんなに大きな借金があっても返済は一切不要になるので、絶大な効果があります。また、手続き後の支払いが不要なので、無職無収入の人などでも利用できます。
自己破産をすると財産が無くなりますが、生活に最低限必要な財産は手元に残すことができます。
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4.特定調停について
特定調停とは、簡易裁判所の調停を利用することによって借金の返済方法を決め直す手続きです。任意整理と同じことを調停手続き内で行うようなイメージです。
特定調停は、裁判所を利用しますが、個人再生や自己破産ほど難しいところがないので債務者が自分一人で手続きすることも簡単です。また、特定調停では話合いを調停委員が仲介してくれるので、直接サラ金の担当者と話をしなくていいことも、気が楽でメリットがあります。
ただ、特定調停では、同じ手続き内で相手に対して過払い金請求することができなかったり、相手が合意しないと解決ができなかったりするので、それなりにデメリットもあります。債務整理をするなら、できれば他の手続を弁護士に依頼した方が良いかも知れません。
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◎ 過払い金請求について
債務整理をしているとき、過去に消費者金融などと取引していたケースでは過払い金が見つかることがあります。過払い金が見つかったら、取引をしていた相手に対して過払い金返還請求をすることができます。すると、中には100万円以上の過払い金が返ってくる人もいます。もちろん過払い金請求したときには、借金の残金はなくなるので返済は不要になります。
過払い金請求ができることができる可能性があることも、債務整理の大きなメリットの1つです。
過払い金請求についての詳細はこちら
このように、債務整理方法にはいくつかの種類があります。どの手続が一番自分に向いているかわからない場合には、弁護士に相談してみると良いでしょう。